自動車コンサルで脱税 元米大教授を告発

自動車製造に関するコンサルティング事業の所得を申告せずに所得税約3600万円を脱税したとして、名古屋国税局が元米カリフォルニア州立大工学部教授でコンサル会社「K&A JPN」(名古屋市千種区)のコシゴエ・ショウゾウ社長(67)=米国籍、千種区=を所得税法違反容疑で名古屋地検に告発したことが分かった。元教授は既に修正申告し、大半の税金を納めているという。

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関係者によると、元教授は名古屋市を拠点に展開しているコンサル事業で、法人化する前の2014年までの3年間に得た所得約1億1000万円を隠し、所得税約3600万円を免れた疑いがある。事業資金などに充てたとみられる。

所得税法は、実際に事業を営んで収益を得ている事業主に課税する「実質所得者課税の原則」を定める。元教授は、米国で自身が設立したコンサル会社「Koshigoe&Associates,Inc(K&A)」から、日本で雇用した従業員に業務が外注されたように装い、従業員に事業所得として申告させていたとされる。

元教授はカリフォルニア州立大に在籍していた1998年に同州でコンサル会社「K&A」を設立した。04年に大学を退職し、その後は日本で自動車メーカーへのコンサル事業を始めた。名古屋市や愛知県瀬戸市など4カ所に事務所を持ち、自動車の振動・騒音を解析するソフトウエアの開発・販売、形状モデルの設計、燃費向上の提案を手掛けた。取引業者を通じて大手自動車メーカーなどから業務委託を受けていた。

毎日新聞の取材に、元教授は「仕事を軌道に乗せることに精いっぱいで、税金のことまで考えられないまま、ずるずる行ってしまった。今後はきちんと申告したい」と話した。

信用調査会社などによると、14年の売り上げは約1億8000万円。同年10月に日本での事業主体を法人化し、「K&A」とは別に日本の法人として「K&A JPN」を設立している。

【日本に拠点 課税対象】
経済活動のグローバル化が進む中、日本のほか海外にも拠点を置き、各地に滞在して事業を行う研究者や経営者、個人事業主らが増えてきている。
滞在地が複数の国にまたがる場合、日本国内に住所(生活の本拠)を持つなどの「居住者」は原則として、国内外の所得が合わせて日本の課税対象とされる。それ以外の「非居住者」は日本国内で得た所得が日本での課税対象となる。
コシゴエ元教授は当初、非居住者として日米両国を年複数回行き来していたという。日本では税務申告せず「米国への送金を受けた家族が税金を払っていると思い、最初は脱税の意識がなかった」と振り返る。
本格的に日本に拠点を移して以降も無申告状態だったが「徐々に心配になってきた」といい、数年前から従業員に売り上げの一部を事業所得として申告させた。名古屋国税局は、元教授が申告の必要性を認識しながら意図的に自分の所得を隠すため、従業員にうその申告をさせたと判断し、告発に踏み切ったとみられる。
過去には、日刊英字新聞「ジャパンタイムズ」などの会長だった男性が数カ国・地域に滞在してどこにも税務申告をせず、日本国内の居住者に該当するとして、2011年までの3年間で約10億円の申告漏れを東京国税局に指摘されている。

まとめると、所得税法上の居住者(国税庁のHPを参考)に該当すれば、原則、国内外の所得を合算して申告する必要があるのですが、本人はアメリカ国籍みたいなので、これに該当しないと考えたのでしょう。居住者かどうかは国籍は関係なくて実態で判断します、この方は活動の本拠地が日本になった時点で居住者扱いになりますので、申告をする必要があったのです。そして、恐らくその金額が大きいと税務署に目を付けられると思って、外注先に本来の売上より小さい金額で申告させたのでしょう。

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